大型家電の冷蔵庫は、棄て方に頭を悩ませるものです。それだけに、冷蔵庫の処分方法や費用が安いのか、手順はどうなのかも気になってしまうものです。できるだけ安い費用で処分するなら、どんな方法を選んだら良いのでしょうか。

そこで、今回は冷蔵庫の処分方法で頭を悩ませる運び出し、回収、持ち込み、買取など詳しく解説していきます。

冷蔵庫は粗大ゴミで捨てられる?リサイクル対象?

冷蔵庫の処分は、粗大ゴミで捨てられるのか知っておきたいという方もいます。冷蔵庫を自宅から運び出しできる人手がありできれば、自治体のゴミ処理センターへ他の粗大ゴミと一緒に持ち込みが可能になるのではと考える方もいるでしょう。運び出しの大変さや廃棄方法が分かりにくいこともあり、戸惑ってしまうのが冷蔵庫です。

また、山林や私有地に勝手な判断で冷蔵庫を捨てるのは不法投棄になります。なぜなら、冷蔵庫の処分は、家電リサイクル法に従わなければならないからです。

家電リサイクル法の対象になる家電は、以下の4つです。
・エアコン
・テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマ)
・冷蔵庫・冷凍庫
・洗濯機・乾燥機

冷蔵庫には、有用な部分や材料があるので、資源の有効利用を推進するために法律に従った処分をしなければなりません。

家電リサイクル対象の冷蔵庫・冷凍庫は、容量や製造年に関わらず、定められた方法での棄て方が義務づけられています。

冷蔵庫の処分方法7つと費用

リサイクルをするには、冷蔵庫の処分方法と費用が具体的にどんな違いがあるのかをここからは紹介して行きます。家電リサイクル法の対象である冷蔵庫は、定められた費用を払い、購入店や家電店などで回収してもらうのが一般的です。

1. 買い替えで冷蔵庫を電気店に引き取ってもらう

冷蔵庫を新しいものに買い替えする時には、これまで使っていた冷蔵庫を家電店や量販店で回収が可能ですが、リサイクル料金と収集運搬料金を合わせた費用を支払い引き取ってもらいます。

家電リサイクル法で、「小売業者は排出者からの引き取りと製造者への引き渡し」が義務付けられているからです。

費用リサイクル料金・収集運搬料金

上記の費用がかかりますが、冷蔵庫の配達と同時に古い冷蔵庫を回収してもらえるので手軽に運び出ししてもらえ、安心して回収してもらえるメリットがあります。

2. 購入した家電店で引き取ってもらう

ライフスタイルの変化や遺品整理などで処分だけをしたい時は、購入店で冷蔵庫を引き取りもできます。遠方の家族にプレゼントされたものやネットで購入したものだと、購入店が分からなかったり、購入店が遠方にあったりする事情があり、廃棄の方法に悩んでしまうこともあるでしょう。

もし、購入店が分からない時でも、家電4品目を取り扱っている販売店へ回収の依頼をすることができるので心配いりません。購入店と異なる販売店に回収の依頼をしても「断られないだろうか?」と懸念することもあるかもしれませんが、販売店は前述のようにリサイクル回収を受け付ける義務があるので問題なく受け付けてもらえます。

大手の家電量販店の費用は、以下の通りです。

【ケーズデンキ】

品目リサイクル料金(税込)収集運搬料金(税込)
冷蔵庫(170L以下)3,740円~1,100円
冷蔵庫(171L以上)4,730円~

【ヤマダ電機】

品目リサイクル料金収集運搬料金
冷蔵庫(170L以下)3,740円1,210円
冷蔵庫(171L以上)4,730円
冷蔵庫(170L以下)ヤマダ電機製品4,015円
冷蔵庫(171L以上)ヤマダ電機製品5,005円

【エディオン】

品目リサイクル料金(税込)収集運搬料金(税込)
冷蔵庫(170L以下)3,740円~2,200円(250L以下)
2,750円(251L以上)
冷蔵庫(171L以上)4,730円~

3. 指定引取場所に持ち込んで処分をしてもらう

家電量販店で冷蔵庫の処分を検討するほかには、家電リサイクル券の料金を郵便局で支払い、自分で最寄りにある指定引取場所へ冷蔵庫を持ち込みすることも可能です。

(1)リサイクル券の購入前に、冷蔵庫のメーカー名と内容積を調べておきましょう。リサイクル料金を調べる時に必要になります。

(2)郵便局で家電リサイクル券に必要事項を記入し、リサイクル料金を支払います。(振込手数料が必要)

(3)冷蔵庫のメーカー別のリサイクル料金を知るには、一般財団法人家電製品協会のホームページの「品目別メーカー別リサイクル料金」で調べられます。

(4)指定引取場所は、一般財団法人家電製品協会のホームページで検索をして探してみましょう。
https://www.kaiketsukr.com/areasearch/

重量のある冷蔵庫ですから当然持ち込みの手間はかかるのですが、指定引取場所への収集運搬料金の負担が無料で済む分は、安い費用で済むメリットがあります。

4. 家電リサイクル受付センターに申し込む

家電リサイクル受付センターを活用した処分も可能です。ただし、東京23区のみという条件があります。費用の目安は、以下の通りです。ただ、冷蔵庫のメーカー次第で費用が異なるので、利用の際の正確な費用を購入したメーカーや家電製品協会家電リサイクル券センターで検索しておくことをおすすめします。

品目リサイクル料金(税込)収集運搬料金(税込)
冷蔵庫(170L以下)3,740円~3,157円
冷蔵庫(171L以上)4,730円~

(1) 冷蔵庫のメーカー名と容量を確認しておきましょう。
(2)家電リサイクル受付センターのホームページや電話で事前申し込みを済ませます。
ホームページ:家電リサイクル受付センター
電話:03-5296-7200 受付時間(月~土曜日の8:00~17:00)

(3) 収集会社と連絡先、収集時間の確認、持ち出しの条件や料金を確認します。
※家の中から冷蔵庫を家の前までの運び出しは、収集運搬料金に含まれませんが別途料金を支払えば対応も可能です。

(4)収集日か当日に収集会社から事前に電話連絡があります。
(5) 収集日に冷蔵庫をセンターに引き渡しします。
(6) 現金で支払い家電リサイクル券の受け取りを済ませて完了です。

5. ネットオークションやフリマアプリなどを活用して売る

ヤフオクや楽天オークションなどのネットオークションを活用すると、比較的新しい冷蔵庫を出品して売りだせます。リサイクル料金をかけないだけではなくお金になる棄て方です。買い手が現れた時の配送料の負担を交渉次第で、どちらが行うかを決めておきましょう。その他、オークションサイトの手数料がかかります。

また、メルカリなどフリマアプリで冷蔵庫を出品することも可能です。出品の手間はかかりますが、売れる可能性があります。こちらも、フリマアプリの手数料が差し引かれる他、配送料の負担を出品時の取り決めをしておくことをおすすめします。

地元の掲示板情報サイトのジモティーなら、冷蔵庫の運び出しができない人でも、「自宅まで取りに来られる方、限定」で掲載できて便利です。冷蔵庫の年式に関わらず掲載できる魅力もあります。登録料や手数料は一切、かかりません。

6. 買取専門店を活用する

製造から5年以内であれば、廃棄するよりも買取専門店で売却を考えてみましょう。冷蔵庫を廃棄するならお金の負担がありますが、売って処分すればプラスになります。

売れやすい冷蔵庫には、条件があります。

・製造年から5年以内
・高機能・高性能の機種
・使用感や傷が少ない

買取専門店のメリットは、お金をかけずに処分できることです。冷蔵庫やテレビなど大型家電で販売店への運び出しや買取店への持ち込みができない場合、出張買取ならその心配もなくなります。できるだけ高く売るためには、以下のポイントを抑えておきましょう。

・きれいに掃除をしておく
・他の家電や家具などもまとめて依頼する
・付属品や取扱説明書を揃えておく

7. 不用品回収業者を活用する

不用品回収業者なら、依頼してすぐに回収して持っていってもらえます。また、重くて自分で運べない場合も、運び出しから依頼できるので、時間がないときや家族だけでは片付けられない場合は、依頼するといいでしょう。

冷蔵庫を安い料金で処分する方法は?

冷蔵庫の処分には、上記のような7つの方法があります。無料で済ませるには買取、買い替え、購入店の引き取り、指定引取場所へ持ち込みなどから、自分の対応できる条件を満たす方法から選びましょう。

ご紹介したように、リサイクル料金は目安の金額がほぼ決まっているので、収集運搬料金が安い設定になっている方法を選ぶのも一案です。

冷蔵庫を自宅から運び出しや販売店や指定引取場所へ持ち込みが可能なら、その分の費用を抑えられます。

ただ、運び出しや持ち込みを自分で行う棄て方は、高齢者や女性など無理な方もいるでしょう。そのような場合には、不用品回収業者の利用も検討してみましょう。自宅まで出張してくれるので、心配なく利用できます。不用品回収業者の対応や料金が適切であるかどうかをあらかじめ見極めておく必要がある点には注意してください。

冷蔵庫だけではなく他の不用品と同時に回収してもらうと、トータルで安い費用で済むケースもあります。

冷蔵庫を即日で処分できる方法は?

冷蔵庫を当日まで使う事情がある場合や急きょ当日に廃棄する場合も考えられます。時間が限られた中では、冷蔵庫の処分の申し込みから回収や持ち込みまでの期間が何日もかかれば困ってしまうでしょう。
そのような状況の場合には、即日でも受付可能で運び出し回収してくれる不用品回収業者もあります。

遺品整理のために限られた日数で冷蔵庫の処分だけではなく家財などとまとめて廃棄したい場合やゴミ屋敷になった実家の片付けを業者に依頼して済ませておきたい場合などには、即日で対応できる不用品回収業者も存在しています。

冷蔵庫単体で廃棄をして欲しい時には、電話1本だけで引き取りに来てくれます。ただ、注意しておきたいのは見積もりが無料で対応できるか、見積もりを上回る費用が発生しないかを確認しておきましょう。

冷蔵庫を処分するときの注意点3個

家電の中でも家電リサイクル法で定められた家電4品目に入っている冷蔵庫の処分をする際には、注意点が3個あります。

1. 家電リサイクル券の控えを保存

冷蔵庫の棄て方で、買取店やネットオークションなど売却以外の方法で処分した時には、必ず発行されるのが家電リサイクル券の控えです。回収が終わったと、そのまま控えを捨ててしまわないようにしましょう。家電4品目が適切にリサイクルされているかどうかの証拠となるのが、控えだからです。

家電製品協会の排出者向け引取確認のサイトで確認
家電リサイクルセンター フリーダイヤル:0120-319640
           FAX:03-3903-7551
※受付時間は、午前9時から午後6時

サイトで確認する場合には、家電リサイクル券の「排出者控」に「お問合せ管理番号」が丈夫に記載されています。半角13桁で番号を入力します。ただし、控えの保存義務は3年間なのでそれ以上経過している場合は閲覧ができなくなることもあるので知っておきましょう。

2. 無料回収業者に注意

大型家電や家具などを無料で空き地において回収をする宣伝のチラシを見たり、トラックで「不要になった冷蔵庫、洗濯機、テレビ、オートバイなど無料で回収」というアナウンスを聞いたりしたことがありませんか?「無料なら助かる棄て方なので試したい」と思うものの、お金も払わず空き地に持ち込みするのには、何となく不審に思ってしまうこともあるものです。

家庭の不用品を回収するためには、市町村の一般廃棄物処理業許可が必要なのですが、上記のような無料回収業者の中には許可を持たずに違法に営業している業者も存在しています。

無許可で回収している業者は、その後、不法投棄の問題も少なくありません。違法営業と知っていて、冷蔵庫の廃棄を依頼した場合には、不法投棄の処罰が本人にも科せられてしまうことも胸に留めておきましょう。

3. 不用品回収業者は良質なサービスを提供できるところを選ぶ

冷蔵庫を廃棄するには、家電リサイクル法を順守しなければなりません。処分する際に不用品回収業者を検討することもあるでしょうが、無料回収業者や安い費用ばかり宣伝する業者に依頼することがないようにするためにも、より良いサービスを提供できる業者の見極めがとても大切です。

・相見積もりをしておく
・見積もりの内容が明確
・一般廃棄物処理業許可を保有

まとめ

冷蔵庫の処分は、家電リサイクル法に従った棄て方で適切に進めるのが原則です。処分の際にかかる費用には、リサイクル料金・収集運搬料金があります。処分方法によって手順が異なるので、注意をしてください。

また、売却の選択肢を検討することで少しでもお得に処分も可能です。その他、不用品回収業者に依頼したい時には注意点を把握して、適切な処理を行う業者を選ぶようにしましょう。